葉とらずりんご“葉っぴー”は、生協しまねのオリジナル商品で、生産者と組合員が一緒に育て、普及するりんごです。「濃厚な甘さと適度な酸味があり、コクのあるりんご」を目指しています。
“葉っぴー”はこんなりんご
見た目より味を重視
“葉っぴー”は糖度が高く多汁で、シャキシャキとした食感が特徴のサンふじりんごです。
外見よりも味に重点をおき、通常のりんごより葉を多く樹に残し、葉による光合成を高めて育てています。葉の枚数が多いほど光合成が盛んに行われ、でんぷんが果実に蓄えられ、りんごの糖分を高めます。
りんごの栽培には、りんごの実にも日光が十分に当たることが大切です。“葉っぴー”はりんごの周りにたくさんの葉を残すので、りんごに日光が当たりづらくなります。そのため、葉によって日陰にあるりんごに光を当てるため、枝への支柱建てやりんご1玉1玉を太陽の向きに回す「玉まわし」を何度も行う必要があり、非常に手間がかかります。
裏話 ~共同購入だからできること~
“葉っぴー”は生産者の「本当においしいりんごづくりに挑戦したい」という想いに共感し、「組合員と生産者、生協が一緒に育て・つくる」ことを大切にした取り組みを2015年にスタートしました。味は良くても葉をとらないことで、表皮の色づきにムラができ見た目が悪いため、市場で評価されないりんごですが、生協なら葉とらずりんごの魅力や生産者の想いを直接消費者に届けることができる!生産者と組合員が直接交流のできる!ことから、取り組みがスタートしました。
生産者と組合員、生協が一緒に育てる
生産者のりんごづくりへの想いを組合員に届け、利用してもらい、「もっとこうなったら良いな」の声を寄せていただく。その声を生産者へ伝えることで“よりおいしいりんごづくり”につなげる…。生産者と組合員、生協が一緒になって取り組んでいます。
葉とらずりんごの取り組みがスタートした2015年から毎年、生産者と組合員がお互いの想いを伝えあう交流会の場を設けています。組合員にとっては栽培方法をはじめ、生産者の“おいしいりんごづくり”にかける熱い想いやご苦労を知る機会になり、生産者にとっては組合員から直接葉とらずりんごの感想を聞くことで、りんごづくりの活力になっています。
“葉っぴー”の1年
産地だより
私たちは青森県でりんごを栽培しています。しかしながら、それらの果樹をつくりあげるのは、実は生産者ではないということです。
おいしいりんごを育てるのは、「木」と「葉」、そして「土」なのです。木と葉はそれぞれ太陽・水・土・肥料・菌など、自然の力を利用しておいしい果実をつくります。私たちがふだん行なっている「栽培」は、そんな働き者の木と葉のお手伝いをし、自然のエネルギーを100%りんごに届けることです。
新型コロナウイルス感染症の不安が世界中に広がっています。園地に出て仕事が出来る事に感謝し、 収穫を無事迎えて少しでも私たちが栽培したりんごを美味しいと笑顔になってもらえるよう頑張ります。
2020年 津軽産直組合 組合長 斉藤篤寿
組合員さんから“おいしい”の声がたくさん届いています
生産者紹介
宮崎 尚彦さん
“葉とらずりんご”の取り組み当初(2015年)の1年目から栽培しています。葉っぴーは今までの栽培体系とは異なるため、不安だけが大きく膨らみだしたのを強く覚えています。毎日、木に成ったりんごを試食し、まずまずの味になり、糖度計に14℃以上の数値がでたときはホッとしました。
りんごづくりで一番うれしい瞬間は、おいしいりんごが作れたときではありません。組合員のみなさんに「おいしかった」と言ってもらえたときです。お金では買えない感動を胸に秘めて、しまねのみなさんと一緒に努力、研究、交流をしながら栽培に励んでいきたいと思います。
小林 徹哉さん
父(小林秀造さん:葉っぴーの取り組み1・2年目の生産者)の後を継いで2017年から葉とらずりんごを栽培しています。父から受け継いだりんごの樹を大切に育て、しまねの組合員のみなさんに満足いただけるりんごを頑張って栽培しています。
近年、異常気象が続き、日々自然との共存の難しさを感じながら作業をしています。苦労は絶えないですが、りんごをつくれる喜びを感じています。
斉藤 信一さん・茂子さんご夫婦
2016年に初めて葉っぴーを作りました。1年目はみなさんが私の作ったりんごを食べてどのような反応をされるのか不安でいっぱいでしたが、「おいしい」という声がたくさんあり、ひと安心したのを覚えています。
1年を通してりんごを作ってきた私たちにとって「おいしい」という言葉ほど心に残る財産はありません。天候に左右されるりんごづくりではありますが、二人で一生懸命頑張って、毎年よりおいしいりんごをみなさんに食べてもらいたいです。
斉藤信一さんから動画でメッセージをいただきました:こちらから
斉藤 康児さん<2019年より>
私は父からりんご栽培を受け継ぎ17年になります。元々葉とらずりんご栽培をしておりましたが、生協しまねの取り組みに参加したのが2019年です。まだまだ不安は多いですが組合員さんの温かい言葉を糧に日々りんごづくりに励んでいます。
天候不順が続いてはいますが、土壌の力を活かして天候に左右されない安定したりんごを生協しまねの皆さんに届け、満足いただければ幸せです。これからも4名の生産者が力を合わせ「葉とらずりんご 葉っぴー」がもっと多くの方に食べて貰えるように頑張っていきたいと思います。
4人の生産者のりんごの特徴
生産者は4人を指定しています。各生産者が作るりんごにはそれぞれ特徴があります。
その特徴を考慮しながら、最適な時期に、最適な生産者のりんごをお届けしています。
- 小林 徹哉さん
熟度は早く、甘みと果汁量のバランスが良い (11月からお届け) - 宮崎 尚彦さん
糖度は高いが酸味も強い 濃い味のりんご (12月からお届け) - 斉藤 信一さん・茂子さんご夫婦
甘みもあるが果汁量が多く果肉が固いため貯蔵性が良い (1月からお届け) - 斉藤 康児さん
相対的にバランスが良く、貯蔵性は高いです (12月からお届け)
生産者一人ひとりが「しまねの組合員さんに美味しいりんごを食べていただきたい」という思いで、りんごづくりに取り組んでいます。
今年の葉とらずりんごをご利用いただき、感想をたくさんお寄せください。