11月16日(土)~17日(日)にかけて、「産直しもつみかん」でお馴染みのしもつコープファーム(和歌山県)に、ご応募いただいた組合員2名と組合員理事2名が産地見学に行きました。

 

しもつコープファームの中西源蔵さんに案内いただき初めに訪れたのは、山の傾斜地にある園地。四方がみかんの木々に囲まれ、その壮大さに圧倒されました。

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園地は坂が多く、生産者の方は慣れたようにどんどん進んで行きますが、参加者はついて行くのに必死でした。「元気じゃないとできない仕事だね」と、参加者から声が漏れました。

 

その後、しもつコープファームの事務所に向かい、出荷前の作業を見せていただきました。収穫されたみかんは大きさや糖度、酸味などを計り、規定に適合したものだけが生協に出荷されるそうです。腐れなども光センサーを通すことで分かり、人の目では分からないほんの数ミリの腐れを感知する優れものだそうです。

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座学では、おいしいみかんの見分け方や、しもつみかんは一般的な栽培よりも農薬を3割削減したみかんだということ、2018年9月の台風被害についてお聞きしました。

おいしいみかんの見分け方は、小玉の方がおいしいとのこと。同じ品種、大きさで比べると、軸が細いもの、油胞(皮のつぶつぶ)の密度が高いものがおいしい傾向にあると教えていただきました。

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また、2018年9月の台風では、しもつコープファームの生産者が栽培するおよそ1割にあたるみかんの樹が倒れてしまったそうです。昔はみかんの樹が高く、根も深かったため倒れることはめったになかったようですが、最近は背が低く根が以前の半分くらいの樹が主流なので、大きな被害がでてしまったと説明がありました。樹は植えたところで1年や2年で収穫できるわけではありません。収穫まで5年は要するとのこと。昨年9月の影響は今年も、そしてこれからもまだ続いていくことに胸を痛めました。

 

翌日は、生産者の中尾謙一さんの平地にある園地で収穫体験をさせていただきました。

 

前日においしいみかんの見分け方をじっくり教えていただいたのにも関わらず、みかんを選ぶときはおろおろ。しまいには「どれがいいか分からなくなってきた!」と生産者に助けを求めることも(笑)

 

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みかんの樹は大きい実をつけているものと、小さい実をつけているものがありました。小さいみかんの方がおいしいと聞いていたので、思いのほか大きい実が多く、栽培の難しさを感じました。実はみかんも表年裏年があるようで、大きい実をつけた樹は翌年小さい実をつけるそうです。それでも実の大きさを揃えるために、摘果作業は欠かさないと言います。

 

中尾さんはとても穏やかな人柄で、いろいろな質問に丁寧に、そして誠実にお答えいただきました。園地で食べたみかんは、酸味と甘味のバランスがちょうどよく、とてもおいしかったです。このみかんは中尾さんが手間暇かけて丁寧に育てた努力の賜物なんだ…と大切に食べる気持ちが生まれました。

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今後、参加者のみなさんが「しもつみかん」を食べるとき、産地に足を運び、生産者さんと交流したことが思い出されるのではないでしょうか。他の果物より、少し特別な果物となりました。