すっかり秋らしくなってきた10月8日(金)に、生協しまね本部にてリーディングサービス交流会を開催しました。

 

当日は、松江市の視聴覚障がい者情報提供施設:ライトハウスライブラリーから職員の田中さんと庄司さん、リーディングサービスをご利用の松江市にお住まいの岩谷さんをお招きして、CD作成の委託先のおたがいさままつえ・やすぎの方々と総勢13名で開催しました。

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                                  (当日の配布パンフレット)

 

交流会

◆まずは、毎週応援者が作成しているCDについて交流しました

副施設長の田中さんに、事前にCDを聴いてもらっていました。

  「長年こうやってCDにして、視覚に障がいのある方へ情報を届け続けておられること、率直に“すごいな!”と思いました。」

という、うれしい評価をまず、いただきました。

そして、

  ●複数の応援者で作成することのコツや、ノイズ音をできるだけ消す操作などを教わったり、

  ●「ワインの長~い商品名、読むの、難しいんです。」 の声には、

     『母音だけで読むつもりで、発音してみるのもいいですね。』など、

応援者のいろんな困りごとに、的確なアドバイスをいただきました。

 

応援者は、いつもパソコンに向かっての個々の作業です。

 「応援者同志、生活の中の楽しみとして活動し、継続していくことがいちばんの貢献です。」

という温かいお言葉に、応援者は励まされました。

 

◆続いて、5月にNHK松江放送局で放送された番組を視聴しました

CDの吹き込み・編集をする応援をするうえで、

  目の不自由な方のくらしぶりを知ることで、

  CDの吹き込み・編集応援につながるものが何かあったら…との想いから、

視覚リハビリテーションの相談・サポートをされている庄司さんからご提案をいただいた番組で、

ご自身もコメント出演されています。

 

内容は、コロナ禍での生活の変化 “買い物”。

目の不自由な方が直面する壁。

例えば、スーパーでの買い物のとき。

  ●出入口の消毒液は、ペダルを踏むタイプ?手をかざすと出てくるタイプ?

  ●セルフレジは、硬貨・紙幣・カード、どこに入れるの?

  ●これまでのように顔を近づけて商品を見ることに躊躇してしまい、

   野菜や果物をさわって確認ができなくなって困っている。 

 

当事者しかわからないことに、どう気づき、どう取り除いていくか、

知ることが第一歩、とのことでした。

 

◆そして、リーディングサービス利用者にくらしぶりをうかがいました

今回、庄司さんのご紹介で、リーディングサービスをご利用の岩谷さんにくらしぶりをうかがう機会をいただきました。

  ●『注文はCDを聴いた後、パソコン入力してプリントして、配送担当者に渡しています』

  ●『スマホアプリの音声読み上げ機能も使っています』

  ●『週に2回、ヘルパーさんといっしょに歩いて買い物に出かけています』

  ●「冷蔵庫の中、どうやって管理しておられるの?」

  ●あまりのかわいらしい雰囲気に、「髪型や洋服はどう選んでおられるの?」の質問も。

    娘さんや、お母さまが選んでくださっているというほほえましいお答えに、みなさん、ほっこり。

 

自分のことを話すのは、誰でも少しの抵抗はあるのではないでしょうか。

岩谷さんは「わかってもらえるとうれしいから」と快くお越しくださったそうです。

参加者からも、「こうやってお会いできてうれしい」の声。

私も、この会が始まる前に初めてお会いした瞬間、ふわっとかわいらしい笑顔の岩谷さんに、

「お会いできてうれしいです!」とごあいさつしてしまうほど。

岩谷さんのまわりに、たくさんの“うれしい”があふれていました。

 

◆番組を視聴しての交流

番組の中での一場面。

店内で買い物をいっしょに行う、研修を受けた従業員の言葉。

  「買い物を楽しくお手伝いすることが大事です」

とにこやかに話していたのが印象的でした。

“役に立つことをしよう”、と行動することはなかなか簡単にできることではないのかもしれません。

誰かの、何かの、ほんのちょっとのお手伝いになっているとしたら…。

リーディングサービスも、そんなつながりとなっていれば、うれしく思います。

 

 

日頃からさまざまな相談にのっておられる庄司さん。

目の不自由な方も、“まわりの人との距離をとらないと”と気を使っていらっしゃるそうです。

何か、困っていらっしゃるのかな、という様子が伝わるときってありますよね。

でも、何て声をかけたらいいかわからない。

そんなときは、

  『どうしたんですか?』『どうしたらいい?』

  と聞いてみるのが、いちばん。

なのだそうです。

障がいがあっても、なくても。

コロナ禍であっても、そうでなくても。

気にかけていることのメッセージは伝わるそうです。

“察する優しさより尋ねる勇気”

のお言葉が、参加者全員の心に強く残った一日となりました。